関東代表チームを結成しMASTERCUP.3を制した福士にインタビュー。 MASTERCUP.3を振り返り、来るMASTERCUP.4への展望を語ってもらった。
■あっさり優勝したイメージがあるんですけどかなり追い詰められた試合もありましたからね
──まずは前回MASTERCUP.3の優勝おめでとうございます!
福士 ありがとうございます。
──優勝という結果を含めてMASTERCUP.3の感想をお願いします。
福士 優勝できたので「最高だった」という感想以外は無いですね、とにかく勝ちたかったんでメンツもかなり強かったですし結果がついてきましたし。自分達以外にも面白い試合がたくさんあって盛り上がりましたしこれ以上無いような大会だった気がしますね。
──MASTERCUP.3はエントリー94チーム、ギャラリーを含めると500人近くがハローワールドに集まりました。
福士 回を追うごとに参加者って増えてると思うんですけどアーケード業界が衰退の一途を辿るこの状況で集客人数を増やすことはひとえにMASTERCUPというイベントの魅力に尽きると思います。それは運営であったり会場の雰囲気や演出であったりとか構成とかそういったものを含めて500人規模の人を集めることのできる大会…MASTERCUPの魅力ってのは大きいと思いますね。MASTERCUPって厳格なルールもそうなんですが通常高段位プレイヤーと始めたばかりの人って鉄拳は段位戦システムがあるので同じ土俵に立てないんですよね。その点MASTERCUPは参加しているプレイヤー誰しもが一選手であってまったくハンデなしの状況で同じ土俵で戦わなきゃいけないじゃないですか。そこに魅力を感じている参加者って沢山いると思うんですよね。
──改めてMASTERCUP.3を振り返ります。下馬評では「関西われわれクラス」を優勝候補に挙げる人がかなりいました。
福士 やはり前年度のディフェンディングチャンピオンってのはイメージが相当強いというのがあるんで多くの人が予想したのは不思議ではないと思うんですが、鉄拳6のゲーム性もありますが下馬評は下馬評に過ぎないなと思いました。もちろん決勝トーナメントまできちんと残ってきたんで強いは強いんでしょうけど…何が起こるかはわかりませんしその中できっちり結果を出せるのが「強いチーム」だと思います。こうやってみんなで予想して下馬評とか作ったりするのも含めて大会の楽しみだと思うんで今年もおおいにいろんなところで予想してもらって…また誰かがその結果を覆したりだのを楽しめたらなと思ってます。
──大会を通して一番手強かった相手はどのチームでしょうか。
福士 あっさり優勝したイメージがあるんですけどかなり追い詰められた試合もありましたからね、一番記憶に残ってるのはカポエラ5人チームですかね。
──二次予選の1回戦対「かむのお告げ」ですね。
福士 そうですね、なんだかんだ言っても自分達が予選で落ちるなんて考えてないしそれぐらいの気持ちで望まないといけないと考えてるんですけど実際に仲間がひとりひとり減らされてなかで自分は大将固定だったんであれはかなり精神的にきましたね(笑)「こいつらが負けるのか…」って思いはありますからね、大将で見てると。まぁキャラ対不足が露呈したといえばそうなるんでしょうけど、カポエラ5人チームって5人エキスパートが集まってるわけですから弱いわけはないんでしょうけどかなり尖ったチームだと思うんですよ。でもそれに負けないようなチームを組んでると思ってたんでそれでも追い込まれたというのは向こうのやりこみと大会の怖さとかそういうのを思い知らされましたね。
■どこが勝ってもおかしくないっていう時代になったのかなって気がします。
──優勝候補筆頭に挙げられていた「関西われわれクラス」とは当たらずに勝ち進んだわけですがもし途中でその「関西われわれクラス」と当たっていたら結果はどうなっていたと思いますか。
福士 それこそたらればの話ですし勝負は運が作用する部分も大きいとは思いますが…関西には負けてないでしょうね。個人的にはそれよりも決勝トーナメントの組み合わせ抽選が印象的でした。
──K-1方式(*1)での抽選でしたね。
福士 「関西われわれクラス」が選ぶ時に会場全体から先に決まっていた立川チームとの直接対決を煽るコール…というか「古水コール」が起きたんですけどそれには応えずに結果的に直接対決を避けて選んだ形になったこうすけさんのところに負けちゃったんですよね。単純に考えて立川チームの実力を「強い」と判断して、チームとして優勝が目標なので避けて通るというのは戦略として勿論アリだと思います。…というかそれに尽きると思うんですが個人的にはそういう煽りあいみたなものがあってもそれに応えるのも出てるチームの責務のような気もしますね。ましてや盛り上がるのが好きな関西勢ですからそこで出て倒せば盛り上がるかなと思いますし会場の空気を読んでぶつかっていくのも楽しみ方のひとつのような気がしますけどね。仮に僕たちのチームが同じような因縁みたいなものがあって同じ煽りがあったとしたら…多分僕は会場のノリに負けてというか会場の空気に乗って勝負に出ちゃうと思います。…ただもう一度言いますけど戦略として立川チームを避けるのは全然アリだと思います。強いですからね立川チームは。ただ決勝トーナメントにあがってくるチームなんてどこも強いですから一番盛り上がる選択肢を取るのもありなような気がします。本当に自分達が一番強いという自負があるならばどことやっても負けないはずですからね。
──結果、決勝トーナメント1回戦で姿を消したわけですが敗因はどこにあったと思いますか。
福士 正直相手のこうすけさんのチームを侮っていたという部分は多少あるんじゃないですかね、相手の実力を見誤っていたという部分もあるとは思いますし、多分大将戦までもつれこむとは思っても無かったと思いますし下馬評もそうですけど「関西われわれクラス」のほうが上かなってのはあったんですけどそれに慢心すると…って僕たちも人のことは言えないんですが追い込まれてワンチャンスで負けちゃうなんてあり得るゲームですからね。僕たちは関東勢なんでこうすけさんのチームは強いってわかってたんですけどあまり正確に実力を把握できてなかったというのが敗因だったんじゃないですかね。関西勢ってなんていうんですかね…「こっちのほうが強い」ってノリでかかって相手を飲んじゃうっていうか雰囲気でかぶせていくってところはあるんですけど今回に限って言えばそれが裏目に出たんじゃないでしょうか。それはそういう雰囲気に飲まれずに勝ったこうすけさんのチームが強かったってのもありますし…もはや関西がひとつ飛びぬけているという事でもないっていう、そういう時代になった象徴でもあるような気がしますね。
──鉄拳界に長く続く俗に言う「関西一強」とは言えなくなってきたということでしょうか。
福士 そうですね、MASTERCUP.2以来結果を出せてなかったってのはあるじゃないですか。でもマスター富山杯は関西が優勝してて「5onだけは俺らはガチだから」みたいな…最後のよりどころじゃないですけど実際前回も優勝してますしかなり気合を入れて望んできたと思うんですよ。「いろいろ事故とかは起こりやすいけど5onだったら負けない」みたいな…そういう自負はあったとはずなんですよね、実際結果を残してきていますし…にもかかわらず負けてしまったっていうのは関西が決して弱いからではなく鉄拳界全体のレベルが上がってきてもはや油断はできない…どこが勝ってもおかしくないっていう時代になったのかなって気がします。
*1抽選により指定順序を決定、抽選で決まった順番でトーナメントの好きな場所に自分のチームを配置する方式
■全県の代表が参加したりしたら面白いですよね。
──ハローワールドでのMASTERCUPは今回が最後となります。
福士 ハローワールド自体が無くなっちゃうわけじゃないんですよね?僕は今年でMASTERCUP3回目で闘劇予選を含めて年に1回2回しか行かないとは言え愛着はありますし年々運営してる部分で改善されていってる部分もあると思いますし今年はハローワールド最後にして集大成になると思うので…ハローワールドでどれだけ盛り上がれるのかなって事も含めて楽しみにしてます。
──来るMASTERCUP.4の見所はどこになると思いますか?
福士 その質問は来ると思って考えてたんですけど…難しいですね(笑)関東関西とか地域対抗やどんな食べ物(屋台)が出るかとか…あと闘劇と近いってのも熱い要素だと思います。ちょっと絞るのが難しいです。全県の代表が参加したりしたら面白いですよね。間違いなく鉄拳界のどのイベントよりも価値のある大会だと思います。ハローワールドに行った事の無い人は見ておいて損は無いと思いますしね、ハローワールドでの開催は今年最後だし。
──MASTERCUP.4に向けて意気込みをお願いします。
福士 前回に勝るとも劣らないと思うんですが強いですからね僕のチームは、僕個人の2連覇もあるんですけど出来そうな気がします。あと前回僕全試合通して無敗だったんです。今回は前回と違って大将固定というわけじゃないと思うので前回より出番が増えると思うんで僕と対戦する機会が参加される方は結構あると思うんです。だから僕に誰が土を付けれるのか見物ですよね。
※【鉄拳6BR MASTERCUP.3】2次予選 関東ダンスクラブvs.かむのお告げ 福士試合動画