鉄拳界有数のビックマウスで、日本代表のモラリスト「古水」のインタビューを、メキシコからの使者(?)謎の覆面鉄拳プレイヤー「エル・フクシルス」の対談を掲載!!数々の修羅場をくぐってきた両者の熱いトークが炸裂!!鉄拳にかける熱い思いを肌で感じろ!
■「回を重ねるたびに盛り上がりを増していく。こんな大会は他にありません」
フクシルス:!Mucho gusto!(ムチョ グスト)
古水:スペイン語で「はじめまして」っすね。
フクシルス:よく知ってるな。
古水:それぐらい知ってるよ!今日はそういう設定でいくんすか?
フクシルス:設定っていうのはよくわからないが、もう後には引けないのは確かだ。
古水:周囲の人から俺らへの視線が痛いっすね…
――まずは前回のMASTERCUP.5を振り返ってどうでしょう?
古水:これまで沢山の鉄拳のイベントに出ましたけど、歴代でも最高の盛り上がりを見せたんじゃないでしょうか。これ、毎回インタビューで同じフレーズ言ってる気がするんすけど、ほんとだからね。回を重ねるたびに盛り上がりも増していくっていう。なかなかこういう大会はないっすね。
フクシルス:前回はメキシコから観戦していたが、かなりの盛り上がりを見せていたな。素晴しいことだ。偉大な先達であるビートライブカップに、また一歩近づいた感があるな。近年の格闘ゲームシーンにおいてはこういう場はとても貴重だろう。
古水:メキシコ出身のくせに、やたら的確なコメント出しますね。個人的に前回のチームを振り返って感想を述べさせてもらいますと、前回はまぁぶぅさんをリーダーとしたチームで出たんです。楽しく、そして強いチームだったと自分でも思いますし、もちろん優勝を狙って出場しました。
フクシルス:リンピオ(べビィフェイス)とルード(ヒール)のスター達が集った良いチームだったな!
古水:でも、それでも優勝はできなかった。思うに、あれは「運がなかったな」と(笑)俺が大会振るわなかったり、デクやちゃばさんが緊張していたりしたのもあったとはいえ、あのメンツで優勝できなかったのは悔やまれますね。
――「あのメンツで優勝できなかった」と、まぁぶぅさんも同じことを言っていました。
古水:影丸とまぁぶぅさんは凄く仕上がってたんですけど…仲良くて強いメンツなんですけど、最終的に勝たなきゃ意味ないんですよ。大会で負ける度にいつも思うんです、結局俺が負けなければ優勝できたんじゃないかと…
フクシルス:それはチームメイトの各々が皆そう思っているはずだぞ。
古水:そうなんすよ。だから、そういうストイックな奴らと組んでいるっていう自覚もあって。
フクシルス:その責任感が故に、負けたら泣くのだな。
古水:これもこの際否定しておきたかったんですけど、俺、負けても泣いたことないっすよ!どんな大会でも!!
フクシルス:みんな色んな大会で古水が泣くの見てきたんだけどなあ。でも、その涙を馬鹿にする人間はいないぞ!自負・責任感・悔しさ…大会の中で、そういった感情から溢れ出す涙のなんと美しいことか。なんなら今泣いてもいいんだぞ!
古水:あー、マジどう否定しても無駄じゃねえか!このマスク野郎!!
■「他の誰が負けても、俺が、俺達が負けない。」
――では、今回のMASTERCUP.6の話題に移りましょう。今回来日する韓国オールスターのチームに関して思うところがあればお願いします。
古水:こうして強いメンツで来てくれることにまずは感謝したいっすね。JDCRとKNEEがチームを組んで来てくれるとはね。対戦しがいがあります。
フクシルス:当たりたいよなー、やっぱり。
古水:当たりたいっすね、大会中に。個人的には野試合も含めて力試しをしたいし、前回の決着をつけたいという思いもあるんですが、それとは別にチーム対チームとしても対戦したいっすね。
フクシルス:勝敗は試合の常だが、それとは別に対戦してみたいっていう魅力がある。
古水:そうっすね。少し冷たい分析ですが、150チームほどいる中で、たった1チームしかいない韓国チームが勝ちあがるのは至難の技だと思うんですよ。かなりタフなトーナメントなんで、どこで脱落してもおかしくない。でも、それはうちのチームも同じなんですけどね。できれば盛り上がるシチュエーションで当たりたいし、そこまで勝ち残りたい。
フクシルス:これで逆に韓国チームが勝ち抜いたら、それはすごいことだよな。
古水:それはもう日本勢は何も言えないでしょう。前回野試合でやられて、今回の優勝まで持ってかれちゃったら負けを認めるしかない。でも、いまのところうちのチームが一番強いという自信もある。もし優勝するなら、うちのチームを倒してから優勝して欲しいですね。
フクシルス:それはつまり…?
古水:韓国チームは優勝させないってことっすよ。他の誰が負けても、俺が、俺達が負けない。
フクシルス:いいセリフだな!
古水:これぐらい言わないと。ノビとかのインタビュー、面白くないじゃないっすか。ところで、フクシルスさんはどうなんすか?
フクシルス:今回は純正メキシコチームでの参戦が叶わなかったのが悔やまれるな。韓国チームに匹敵する、大会の台風の目となるはずだったんだが…
古水:5人集まりませんでしたね…
――AOさんの日韓混合チームに関してはどうでしょうか?
フクシルス:なんだがHELP MEがこれなくなってしまったようだな。残念だ。大会日の翌日からは来るらしいが…
古水:それじゃ特に言うことはないっすね。AOのチームはほとんど眼中にないんで。クダンスがどういう鉄拳をするのかが少し興味があるくらい。HELP MEは対戦してて強いし楽しいし、いいプレイヤーだと思うんですがね。
フクシルス:そうなんだ。
古水:AOもとうとう日本の同世代でチームを組めなくなっちゃったかー、って感じっす!ハハハハ!世界を視野に入れてるなら、どこか鉄拳未開の地で「俺強えー」してくればいいじゃないっすか。アマゾンの奥地とか?俺は日本のトップの1人としてどう韓国を倒しつつ優勝するかを考えてるんで、日本で逃げ回ってる奴が率いるチームには一切興味がありません!AOは日本でも韓国でも勝ててないですからね。一緒に組んでる韓国のプレイヤーは、日本の観光を楽しんでください!
フクシルス:すごいトラッシュトークするな!でもAO個人をdisってるわけじゃなくて、あくまで日本と韓国が世界の鉄拳シーンの中心地であるという自負があるからそう言うわけだ。
古水:もちろんです!AOも大会は楽しめればいいですね!
■「今の日本の鉄拳界は、みんな若いのが情けないですね。」
――韓国の鉄拳シーンと日本の鉄拳シーンに関して、言いたいことはあるでしょうか?
古水:言っていいんですか?好きに?
フクシルス:構わないんじゃないかな。
古水:今の日本の鉄拳界は、みんな若いのが情けないですね。あれじゃ一生強くならないですよ。
フクシルス:いいぞ、いいぞ!
古水:段位の上がり下がりに一喜一憂して、向上しようというストイックさがまるで足りない。
フクシルス:僭越ながら同感だな。
古水:俺ももうおっさんですよ。一つ上のフクシさんだってそうでしょ!
フクシルス:おい、フクシルスだ。興奮しないでくれ。
古水:(無視して)いつまでおっさんが幅をきかせてるんですか!俺らより上のユウさんとか、ショウさんとかだって、いまだにトップじゃないですか!若いのが蹴落とさないでどうするんですか。ノビに媚びる・阿る(おもねる)で、仲良くなれればいいんすか?
フクシルス:気持ちはわかるが、落ち着いて、具体的に例をあげてわかりやすく話そう。
古水:フクシさん、俺と今作で何戦しました?サブもあるでしょうが、大体段位戦だと思うんですが。
フクシルス:フクシルスだ。テケネだと153勝168敗だとさ。負けてるし、そいういや先週の鉄拳王戦も負けたな。
古水:思ったより少ないっすね。負けた時どう思ってます?
フクシルス:そりゃ悔しいけど、次は勝とうと思うよ。次負けたら、次の次に勝とうと思う。
古水:それなんすよ!!今日負けたら明日勝てばいいんだよ!明日負けたら明後日勝てばいいんだよ!そうやって少しずつ強くなってけばいい!
フクシルス:でもそれって、鉄拳、あるいは格闘ゲームに限らず、競技や勝負事では普通の考え方じゃない?
古水:俺が思うに、今の若手はこれまでの人生でそういう教育を受けてこなかったのでしょう。ノビが突出してるのもあるでしょうが、ノビと同世代・下の世代が果たしてノビを倒そうと思っているのか疑問です。ノビはおろか、もうロートルなはずのおっさん達にすら勝てないんですから。俺だって、仕事が忙しくなってやれる時間が少なくなったし、全盛期よりは下り坂という自覚があるんです。
フクシルス:そういうのに引導を渡してもらいたい。介錯をしてもらいたい。それはいつも思うよ。ゲームへのスタンスだし、他人には強要はできないけど。でも、マスターカップに出場したり、ホームページを見るくらいのユーザーになら言ってもいいかもな。
古水:負けて何を失うわけじゃないんだし!何回でも挑めばいいんだよ!向上していくことこそに楽しみを見出せる、ってことをわかんねえかな!
フクシルス:「マスカラ・コントラ・マスカラ(負けた方がマスクを剥がされ、素顔を晒される試合形式)」じゃあるまいし、失うものはないはずだ!
古水:いちいちルチャ用語入れてきますね…まあでもそういうことっす。こんだけTAG2をやってきて、いまだに俺が対戦しててキツいと思うプレイヤーは、昔から俺が知っている奴しかいない。これは寂しいね。刺激がほしい。
フクシルス:次はお前と「マスカラ・コントラ・カベジェラ(負けたマスクマンはマスクを剥がされて素顔を晒され、素顔の選手は坊主にされる試合形式)」で対戦しようと思う。刺激的だろう?
古水:あんた素顔晒されるリスクねーだろ!
■「俺はKNEEがノビに勝ってくれて嬉しかったですね。ホッとしました。」
――古水さんは、今の日本の鉄拳シーンではKNEEのようなプレイヤーは育たないと?
古水:無理でしょうね。
フクシルス:流石にプロゲーマーの鉄拳に対する姿勢と比べるのは乱暴かもしれないけどな。
古水:KNEEについて語ってもいいっすか?
フクシルス:いいんじゃない。
古水:前回のKNEEとの対戦では、5つ負け越しました。むこうのメインを引き出せなかったのは不甲斐ないですが、ああいうノビと真逆なスタイルの鉄拳が強いというのは倒しがいがありますよ。
フクシルス:若干のシンパシーを感じた?あるいは、親近感とか。
古水:あれが俺の理想のスタイルというわけではないですが、感じる部分はありました。KNEEの展開作りというか、技の一つひとつに、次はどういう行動をするかということを考えながら戦う部分は参考になりましたね。スカ確や確反は俺の方が勝っていたという自信もありますけど。
フクシルス:特にショートアッパーやジャブみたいな小技の後の展開に長けていたな。相手と自分のキャラの選択肢を全て頭に入れて、その中から体力や時間、距離を考えて適切な行動を選んでいく。小技の後の展開が多いのは、色んなキャラクターを使うからある程度汎用性があるシチュエーション作りを意識しているんじゃないか?
古水:しかも、フレームや技のリーチまで把握した上での行動だからリスクが少ない場合が多いんですね。理詰めの鉄拳だと感じましたよ。一番段位の高いノビが負けたから日本が負けたみたいになってますけど、俺はKNEEが勝ってくれて嬉しかったですね。ホッとしました。
フクシルス:もっと多くのプレイヤーが対戦するべきだったかな?
古水:学ぶべきところが多いと思います。段位戦になっちゃうからKNEEと対戦できるプレイヤーは限られてましたが。かなり計算された鉄拳だと思いますし、今の関東の主流となるスタイルだと、KNEEには勝てないと思いますよ。
フクシルス:今作は場面場面でリターンの取れる技が多いから、今の関東の読み合いはそういうのに頼る部分が多くなっちゃって、ブツ切りな鉄拳になっちゃってるかもな。そういう点では長期戦になればなるほど、KNEEのスタイルと相性はよくないだろう。ただ、とても情報量の多いゲームだがら、選択肢から選択肢へ有機的なつながりを作る試合ができるってのは普通じゃない。KNEEがハンパじゃないやりこみをしていることの証左と言える。
古水:関西のスタイルと戦ったらどうなるかはわからないですけどね。ただ、あそこまで「対応&作曲」を繰り返すような鉄拳をするのもどうかと思うんです。淡々と、勝つだけみたいな。
フクシルス:じゃあJDCRはどうだろう?
古水:あいつは鉄拳に対して偏見を持ち過ぎなんですよ。潔癖症。リスクを負わないにも程がある。リスク負わないとつまらないし、最強にはなりえないと思いますよ。鉄拳楽しいのかなー?
フクシルス:プロゲーマーというのはそこまで関係あるんだろうか。
古水:「勝つのが楽しい」ならKNEEも楽しいんでしょうが、あれもちょっとね。何時間もやって3試合だけとは言え、負け越しちゃってるから強く言えないんですけど。JDCRにもKNEEにも鉄拳の楽しさを教えてあげようかな。俺が勝ってから。
■「KNEEという共通の強敵に対して勝つためにチームを組んだ」
――ちょっと時間が押しているので、矢継ぎ早に質問をさせてもらいます。今回、アンチ巣鴨として有名だった古水さんが、なぜノビ・ユウと組むことになったのかをお願いします。
古水:これは簡単ですよ。ラディッツが襲来した時の悟空とピッコロの関係です。フリーザに対する悟空とベジータでもいいけど、やっぱりラディッツ編かな。韓国、もっと言えばKNEEという共通の強敵に対して勝つために、お互いの利害が一致して手を組んだ形になるわけです。わかりやすいでしょ?
フクシルス:わかりやすいのか…?
古水:別にノビやユウさんのやってることや巣鴨のノリを肯定しているわけじゃないんですよ。馴れ合うつもりもない。ただ、誘ってくれたのは感謝をしているし、チームのために全力を尽くすつもりもあります。影丸とばくしーとも大いに協力して勝ちますよ。
フクシルス:誰がKNEEを羽交い絞めにして、誰が魔貫光殺砲を撃つんだろう…
――では、今回の注目チームは?
古水:当然、強豪と言われるチームはチェックしていますよ。俺は分析力とセコンド力も一流です。でも、ここはあえて身内の「古川家」チームをプッシュしましょう。
フクシルス:なんなんだよそのチームは?
古水:俺の弟子達ですよ。俺のことが好きすぎて、俺の家族の本名でエントリーしてるんです。オスローで俺が鍛えてるだけあって、大会でも活躍する地力はあると思いますよ。
フクシルス:そういや「古川家」の主要メンバーはこないだのセレムラ杯でも勝ち抜いてたな。
古水:そうなんすよ。今回あいつらがどこまで勝ち進むか楽しみにしています。師匠に成果を見せてほしいですね。
フクシルス:俺は「激動のセレコー」かな。メンバーが豪華だ。
古水:あそこも昔強かったりした人がいたり豪華かもしれませんけど、多分コロッと負けますよ。でも、おそらく俺らみたいな優勝候補と当たった時だけ変にやる気出して強くなりそうだから、なるべく当たりたくない。知らないうちに負けててほしい。迷惑ですからね。
――最後に、このインタビューを見ている方々にメッセージをお願いします。
フクシルス:優勝して母国にベルトを持ち帰るぞ!負けたら「闘龍門」に入門する!!
古水:最後だけキャラ設定を思い出しましたね!まあどうせいないだろうけど、大会で俺が驚くようなプレイヤーがいたら楽しいね。
でもいないだろうから、最終的には俺の鉄拳を見て、鉄拳とは何かを学んでくれたら嬉しいかな。
■大会概要
MASTERCUP.6 TEKKEN 5ON5 BATTLE GP 2013
日時:2013年11月3日(日)
開催地:東京レジャーランド パレットタウン http://www.leisureland.jp/
住所:〒135-0064 東京都江東区青海1丁目3-8
タイトル:アーケード 鉄拳TAG2U
大会形式:5on5
参加費:1チーム10,000円
エントリーは終了いたしました。たくさんのご参加まことにありがとうございます。