11月某日、2・10『MASTERCUP.5』開催を控え、MASTERCUP特別企画「鉄拳ガールズトーク」を開催!これまでの鉄拳の歴史を振り返り、鉄拳の見所や今後の展望などを語ってもらった。
マキシ
鉄拳歴18年 闘劇本戦4回出場・MASTERCUP.4ベスト4
ゆうゆう
鉄拳歴 6年 闘劇本戦1回出場・MASTERCUP.1&3 ベスト8・MASTERCUP.2準優勝
みぃみ
鉄拳歴 5年 闘劇本戦1回出場・e-sports JAPAN CUP優勝
きゃしー
鉄拳歴 7年 闘劇本戦1回出場・e-sports JAPAN CUP出場
もぐたん(MC)
鉄拳歴 8年 e-sports JAPAN CUP出場
『鉄拳』シリーズ プロジェクトディレクター原田氏
鉄拳歴18年 鉄拳を作り続けて18年
――では続きまして、鉄拳TAG2アンリミテッドというゲーム全体について、原田さんを交えてディベートして頂こうと思います。
もぐたん:原田さん、とにかく早く、早くミシェールが使いたいです!
ゆうゆう:マキシさんも美晴使いたいって!1キャラ使いだから。
もぐたん:まだここは1キャラ使いなんですよ。あっ、きゃしーは違うでしょ!? 準がいるじゃん!
きゃしー:準!ダメダメ……全然違いますもん。鬼殺しと竜車くらいじゃない?
原田:細部は似てるけど、違うもんね。
マキシ:ところで世界の鉄拳人気ってどんな感じですか?
原田:そうだね、実は国内でもユーザー評価は鉄拳全シリーズで一番高いんだよね。ところが、まあ昔は対戦する人も少なかったから単純に比較できないけど、たとえば鉄拳5~6と比べて、離脱率も一番高いと。しかも辞める人も「つまらないから」とは言わないんだよね。どちらかというと「操作できない自分が悪い」とか、「そろそろついていけない」という風な感じで抜けていく人が多くて。逆に「すごく面白い!」と言ってやっている人は、元々複数キャラ使える人だね。元々3キャラくらい使える人は嬉々としてやってる。一方、1キャラしか使えない人にはちょっと辛いと。やっぱり良くも悪くもピークに来ている。多分、ここまでのキャラ数と、ここまでの複雑さと、ここまで奥の深さのある鉄拳は、これが良くも悪くも最後かなと思ってます。これ以上のゲームはしんどいでしょうと。カジュアルにやれる人が多い方が、勝てる人も多いというか。
マキシ:ピラミッドができる?
原田:そうそう、その裾野が広い方が。鉄拳タッグ2は、ピラミッドのはずが垂直の塔みたいになっちゃってる。
きゃしー:鉄拳5なんかは裾野が広かったですよね。草原みたいな。
原田:逆に言うと競技性の意味では、やってない人ですら「なんか一番出来が良さそうに見える」と言ったり、そういう雰囲気を感じると言ってますね。けどそれって「すごく上手い友達がいて、そいつを見てるだけでいい」みたいな状況なんだよね。これはシリーズの続いてる格ゲーがみんな抱えている問題でもあるんだけどね。鉄拳って、2D格闘ゲームとかと比較すると、いわゆる「事故勝ち」があるんだよね。2D格ゲーで最上級者と初心者が対戦したら、たとえば20回対戦しても絶対に勝てない。鉄拳の場合、まあ勝てないかもしれないまでも、勝ちそうになったり、「ひょっとしたらあと10回くらいやったら勝てるのかな?」って思えるような、そういうアンバランスなところを残してるんだよね。そこが結構評価されている。すごい事故が起きて、優位を築いている人がいっぺんにまくられちゃったり。それを強めるほど、裾野の人達からしたら嬉しいんだよね。
みぃみ:確かに。ワンチャンありますね。
原田:幅広い人にやってもらえるようになると。一方、上級者からすると、大会なんかでも予選でありえない負け方をして「これ事故ゲーじゃん!」ってなっちゃう。でも下の人もそれは分かっていて、「まあまあ、貴方に勝てないのは知ってますよ。百回やって一回勝つくらい、いいじゃないですか」と。それが面白いと思ってやってるんですよ、と。そういう人達を排除するゲームにしてしまうと、上級者は満足かもしれないけど、新しく入っていくのは難しくなるよね。だからそのバランスが非常に難しい。
ゆうゆう:話を聞いてるだけで頭痛くなります(笑)
――では最後に、原田さんに向けて一人一言ずつ、要望を言ってみましょう。もぐたんから。
原田:ともかくミシェールでしょう!?(笑)
もぐたん:そうなんですよ! 無理かもしれないですけど、ミシェールが出ないことが確定したら教えてください(笑) そしたらフェンをやります!そこで今悩んでしまっているんですよ。今日はソロやって、明日はタッグをやってー、みたいな……。
原田:我々もMASTERCUPをやるという時に、そういうバージョンアップはしないと思います。そこはやはり、MASTERCUPに向けて、タッグをやり込むなり、ソロならソロで極めるなり、キメをした方がいいと僕は思いました。
もぐたん:分かりました。じゃあ、ジェイシーソロで!
ゆうゆう:新しいキャラをやっていくのも楽しいかも。
原田:タッグはもう1キャラ覚えれば新しい世界が待っているからね。
もぐたん:ずっとソロを使ってきたワンチャン勢としては、一定以上のレベルに上がれないんですよね。
ゆうゆう:タッグクラッシュのすばらしさは言葉に代えがたいよー。
もぐたん:メインキャラへの愛が強すぎて……。サブキャラ同士を組ませてタッグで遊ぶのはすごく楽しいです。あ、でも家庭用のミシェールも十分楽しいです(笑)
――続いてみぃみから一言どうぞ。
みぃみ:ともかく満足してます(笑)こんなに家で練習してるのシリーズで初めてです。ホント満足してるし楽しい! 以上です。
もぐたん:自分で〆ちゃった(笑)
――きゃしーから質問、要望などあれば。
きゃしー:えっと私は、さっき原田さんのお話もあったような、典型的な心が折れちゃったプレイヤーなので……(笑) 家庭用もちょっとやってるんですけど。これからシリーズがどういう方向に向かっていくのか分からないんですけど、もうちょっとキャラが少なくてもいいかもって私は思うんですよね。
みぃみ:うんうん、そうかも。
きゃしー:やり込むにしても、奥が深すぎて目標が見えないというか。最終到達点が見えない感じなんで。
原田:そうだね、自分がやり込む分にはともかく、相手にしないといけないと考えるとキャラが多すぎるんだよね。
きゃしー:組み合わせによっても変わってきちゃうので。キャラ数も一番多いじゃないですか。
原田:ボリューム的にもピーク。
きゃしー:そろそろ追いつけなくなってきてるんで。たとえ飛鳥が居なくなったとしても、もうちょっと減らしていただけると……そしたら「頑張ります」って言えるかなと思います。
――ではゆうゆうから、原田さんに一言。
ゆうゆう:タッグ……とても楽しいです。
原田:今はシャオユウと誰を組ませてるの?
ゆうゆう:ザフィーナです。
原田:珍しい組み合わせじゃない? あんまり聞かないよね。
ゆうゆう:やればやるほど、また違った面白さが出てきて、楽しいです。
――マキシさん、お願いします。
マキシ:これは私の意見ではないんですけど、家庭用勢が多いという話を聞いて思ったのが、キャラのストーリーや関係性をより詳しくとか、より深く紹介して欲しいです。私は昔からやってるんで大体知っているんですけど、鉄拳5~6から始めた人達は、たとえばどのキャラとどのキャラが因縁あるとか、レイが実は左遷されてたとか、そういうことをやっぱ知らないじゃないですか!そういうのがまとまったところがあると、もうちょっとライトなユーザーがのめり込みやすいんじゃないかなと。
原田:そうね。その通りだと思います。
マキシ:もうちょっと言っちゃうと、腐女子系を取り込めると思います(笑)キャラが大好きで絵を描いたりするようなファン層もいるので。そっち系の裾野も、詳しい情報があれば広がっていくと思うんです。昔からストーリーがちょっとしか出ていなかったりするので。
原田:そうだね。それはよく言われるんだよね。
マキシ:まあガチでやる分にはあまり関係ない話なんですけど、たとえば今回、タッグ相性というのがあったりするし、そういうところにはストーリーから来てたりするので。以前原田さんがおっしゃっていた、性格をキャラ調整に反映する(ポールやミゲルは怒りやすいのですぐにレイジする等)っていうのとかも、実際はやめちゃったみたいですけど、面白いとは思うんです。そういうストーリー面を充実させて欲しいというのが私の要望です。
原田:分かりました。
ゆうゆう:言い忘れたんですけど、昔のカスタマイズが使えないのが寂しいです。
マキシ:☆のメガネが欲しい!
原田:うーん、それもよく言われるんだけど……鉄拳タッグ2では、画面に出すキャラ数が4体に増えた関係でキャラモデルをほとんど作り直していて。昔の鉄拳6とかのカスタマイズ素材をそのまま使おうとすると、とてもじゃないけど描画できない。そうすると全部イチから作り直さないといけない。でもキャラは増やさないといけない、みたいなところで。良い意味でも悪い意味でも限界が来ているのかな。これ以上のキャラ数は無理じゃないかなあ。昔から60キャラくらいが限界だろうとは言っていたんだけど……まさに限界。
マキシ:家庭用で、もう60キャラいるんですか!?
原田:59だから……。
マキシ:うわー!
原田:普通は「もっとキャラを増やしてくれ!」って言われるんだけどね。毎シリーズそうなの。今回くらいだね、「キャラが多すぎる!」って言われるのは。
みぃみ:キャラ対とかが必要なくなってきたよね。自分のスタイルを押しつけることを貫いた方がいい。
マキシ:相手誰でも関係ないよ、みたいな。
もぐたん:やられる前にやれ!って。
みぃみ:そういえば、試合が終わった後に動ける時間がなくなっちゃったのは何故なんですか?
原田:あれね。本当は「ユーザーがあまりに死体蹴りを嫌うのでやめました」とか言いたいところなんだけど、全然そうじゃなくて。これって、いわゆる死体蹴り論争の話になるんだけど、鉄拳をやっている国が50ヶ国くらいあるなかで、ああいう論争をしてるのは日本だけなんだよね。
マキシ:へぇー!
原田:「こういう論争があるんだ」ということを、韓国やアジア圏、あるいはアメリカやヨーロッパで話すと、「何その理論!?」ってすごく驚かれる。「まずあれは死体じゃないでしょ?」みたいに言われたり。いやいや、日本には「死に体」っていう言葉があって、とか、もう倒れた相手に対して攻撃を加えるのは死体損壊と同じような侮辱なんだ、とか……みんながみんなではないけど、そう捉える人も半分くらいはいるんだよと。
そういう説明をするとビックリするわけ。「それは日本のサムライ精神なんですか?」とか聞かれたり(笑)
きゃしー:そういうとらえ方をされちゃうのか!
原田:向こうの人からすると、コンボの流れでやってしまうことだし、その方が楽しいじゃないかと。「動ける方が楽しいでしょ?」って。たしかにK.O.した後に動けないというのは、たとえば鉄拳1がそうだったんだけど、すごく違和感がある。調査をしてみても、8割近くの人間が「なぜK.O.後に動けないんだ!」と苦情を言ってくる。日本人はそことは違う価値観で論争をしてるわけだ。「死体蹴りをできなくした方がいい」と言っている人も、「K.O.の後に動けないようにしてくれ」と言っているわけではないんだよね。そこを取り違えてはいけないので、難しい。今回我々が唯一用意したのは、カスタマイズアイテムの天使の輪があるでしょ。死体蹴りされたくない人はあれをつけて天に召されてくださいと、そういうことにしたかった。死体蹴り回避アイテムだったんだ、本当は。実際はそのヒマもなくリプレイに進んでしまうんだけど。
ゆうゆう:今は逆じゃないですか? あれをつけていると、(大ジャンプRKなどで)死体蹴りされちゃう。
原田:本当は無敵にするはずだった(笑)今回、三発リプレイのみという仕様になったのはプログラム的な都合があって。リプレイってどういう仕組みになっているかと言うと、プレイヤーのキーログを取って、それをメモリに乗せているんだよね。その保持期間が、さかのぼって数秒くらいしかないからなの。実は鉄拳タッグ1の時もリプレイがなかったんだよ。やっぱり三発リプレイですぐ終わっちゃうんだけど、あれもキャラが2人いるだけでメモリを相当喰っていて、もう試合内容が2秒くらいしかさかのぼって記憶できなかった。だからK.O.した瞬間にほぼ切れてしまうんだよね。
――鉄拳ガールズトークと銘打っての座談会でしたが、特にまだ参加したことのないお2人(みぃみ、もぐたん)に、MASTERCUPに対してどういった感想を持たれたかな、というのをお聞きしようと思います。
みぃみ:すごく出たいです。熱くなれる大会というのがあんまり今いないし、周りも冷めている人が結構多いので。
もぐたん:多いよねー。
みぃみ:本当に頑張りたいです。
もぐたん:熱い涙を流したい(笑)
みぃみ:そういう大会を求めてたよね。
もぐたん:私生活でも熱くなることってあんまりないじゃん!? やっぱり鉄拳では熱くなりたいよね。
みぃみ:なりたいなりたい。
もぐたん:(みぃみは)「鉄拳は人生」っていう称号つけてるもんね(笑)
マキシ:きゃしーは今回、どうするの? 観戦勢?
もぐたん:いやいや、参戦勢でしょう(笑)
きゃしー:私は、まあ出られなかったとしても、見には行くと思うので、その時は精一杯ヤジを飛ばそうと思います(笑)
マキシ:ゆうゆうは? もう出場は決めているけど。
ゆうゆう:えっと、去年初めて決勝トーナメントに出て負けて、悔しくって……今年も頑張ります。
マキシ:はい。私はまだキャラが宙ぶらりんで、ちょっと迷っている状態なんですけど、チームはほぼ決まりになったので、ちょっと心を入れ替えて頑張るつもりはものすごくあります。大会で活躍できればいいなと。今までサボっていた分を取り戻すつもりで頑張ります。
――ありがとうございます。最後に原田さんに、開発の視点からMASTERCUPという大会がどういう風に見えているか、ということをお聞きしてよろしいでしょう。
原田:まずは、本来ならオフィシャルでこれくらいのことをやらないといけないところを、ファンの力でやってもらっている。逆に言うと、オフィシャルでこれくらいのことをやっても、こういう盛り上がりはしないんだろうなというのもあって。ファンの人達が、ファンの力でやっているからこそ、これだけ盛り上がるんだろうな、というのは逆説的にあるね。そういう意味では、ホントに我々がオフィシャルでやろうと思ってもできないことだろうと思うので、そこに非常に価値があると思っていて。現に前回見に行かせてもらった時には、色んな意味で衝撃を受けて。海外でも、たしかに人数だけで言えばあれぐらいの規模の大会はあるけど、あれだけちゃんとした盛り上げ方をしているのは(なかなかない)。ちゃんとしたっていうのはどういう意味かって言うと、「予選で負けても帰らない」とか。帰るどころか、一緒になって応援してたりね。
ゆうゆう:会場全体の熱が上がりっぱなしで。
原田:むしろ決勝に行くにしたがってみんなのボルテージが上がって、どこから湧いてきたんだっていうくらい人が来るっていう。ああいう大会は珍しい。これは世界を見渡しても日本だけな上に、日本の中でもやっぱり我々会社というものがああいうことをやろうと思ってもできないと。ファンの力を借りられて、ありがたいことになっていると思います。そういう意味で、今回も必見かなと。
――ありがとうございます。原田さんが言われていたような、世界大会のようなものは企画されているんでしょうか?
原田:色々考えてはいるんですけど、盛り上がりの伝え方というのが(難しくて)。結局見に来ないと分からないし、時差の関係もあって。そこの問題が一番大きいですね。金銭的には実現できても、盛り上がりとかみんなの興味というのはお金では買えないので。そこはやり方をもうちょっと考えないといけないのかなと。家庭用勢で大会に参加したいというような人もいると思うので。MASTERCUPとは路線は変えないといけないと思いますね。
――ありがとうございます。
■大会概要
MASTERCUP.5 TEKKEN 5ON5 BATTLE GP 2013
日時:2013年2月10日(日)
開催地:東京レジャーランド パレットタウン http://www.leisureland.jp/
住所: 〒135-0064 東京都江東区青海1-3-8
タイトル:アーケード 鉄拳TAG2U
大会形式:5on5
参加費:1チーム10,000円(1チーム1部パンフ配布)
※エントリーは終了いたしました。たくさんのご参加ありがとうございます