半蔵門鉄拳塾塾長、MASTERCUP.3覇者福士にインタビュー、目前に迫ったMASTERCUP.5へ向けて意気込みを語ってもらった。
■「このチームですら優勝できないというのがMASTERCUPの過酷さを物語っています。」
――MASTERCUPのナンバーシリーズとしては、2年振りとなる「MASTERCUP.5」の開催が決定しました。まずは、前回大会を振り返っていただきたいと思います。
福士:前回はタケヤマさん、茶柱さん、古水、らざにあという申し分ないメンバーで出場することができました。実力・チームワークともに申し分ないチームだったと思うんですが、このチームですら優勝できないというのがMASTERCUPの過酷さを物語っています。
ただ、古水が負けた後に泣いて悔しがっていたのはこちらとしても「チームを組んでよかった」と思った瞬間です。それぐらい思いを込めて戦っている熱いチームメイトと組めれば、結果の如何に関わらず大会は楽しめますよ。あいつは恥ずかしがって「泣いてない」と言い張っていますが、彼の名誉のためにも彼の熱い涙と鉄拳への想いは伝えておきたいです。これまで彼と組む機会は少なくありませんでしたが、まあすぐ泣きますね。
――では、今回のMASTERCUP.5のチーム構成をお願いします。そんな熱い古水氏とは別のチームのようですが。
福士:ぶっちゃけ大会のたびに古水にビービー泣かれるとフォローがめんどくさいですからね。もう泣かす側に回ります。今回はもともとオウジクスやばくしー、ハマーとBRで組んでいたチーム「敏感倶楽部」の面々で出場することにしました。オウジクスはわけあって出られないわけですが、彼や仕事で出られない他の仲間の分まで勝ち進みたいと思っています。あとは、最近売り出し中のオウジクスリスペクトの若手「レイジ」の活躍に期待したいですね。
――お台場レジャーランドでの開催というロケーションに関してはどうお考えでしょうか?
福士:これはまったりさんもおっしゃっていますが、格闘ゲーム界においてはビートライブカップに追従するということは、一つの大きなステータスと言えると思います。鉄拳は幸いなことに数多くのイベントに恵まれているゲームだと思うのですが、その中でもMASTERCUPはイベントとして、またひとつ違った次元のものになるということじゃないでしょうか。韓国のプレイヤー達も来てくれて、盛り上がることは間違いないでしょう。
――ライターとして今現在もアルカディア誌において攻略を担当されていますが、今作と大会の相性はどうでしょうか?
福士:大会やイベントとの親和性という観点から見れば、これまでのシリーズのなかでも1・2を争う盛り上がりを見せるのではないでしょうか。逆転要素が高く、展開が早いので観ている方も飽きないと思います。参加する方も気を引き締めないといけませんね。みんな、アルカディアの半蔵門鉄拳塾のページで鉄拳の基礎を復習だ!!(宣伝)それか、フォルム武蔵境店で福士インストラクター(非公認)と握手ッ!
■「やや乱暴な表現ですが、TAG2は総合格闘技と言っていいような気がします。」
――少し気が早いですが、では上記と関連して、MASTERCUP.5を通して鉄拳TAG2がどのようになっていくかの展望・希望をお聞かせ願えますか?
福士:僕は立場柄、様々な格闘ゲームに触れる機会がありますが、今作は世に数多くある格闘ゲームの中でも有数の「対戦中に考えることの多いゲーム」だと思います。自由度が高く、選択肢が豊富な「なんでもあり」の総合格闘技のようなゲームです。もちろん「対戦中に考えることの多い」ゲームがイコール「市場に受け入れやすい」ゲームとなりうるわけではないでしょう。しかし、もともとゲーム間=競技間に優劣などないわけで、いわばシンプルな2Dゲームが華やかで芸術的なボクシングだとしたら、やや乱暴な表現ですが、TAG2は総合格闘技と言っていいような気がします。こうしたMASTERCUP5のような大会を通してTAG2の魅力や面白さが一人でも多くの人に伝わり、プレイヤーが増えてくれれば理想的です
。「総合格闘技」が市民権を得るのに時間がかかったように、TAG2もプレイヤーやコミュニティが成熟していけばさらなる展開が生まれるはずです。しかも、アーケードでは家庭用のキャラがまだ出ていないわけですし、「プレイヤー」と「メーカー」がタッグを組んで、これからも鉄拳TAG2は進化していくと信じたいですね。
――昨今鉄拳以外の格闘ゲームプレイヤーでは家庭用レバーのメーカーとスポンサー契約を結ぶ、
所謂「プロゲーマー」の誕生に注目が集まり、鉄拳プレイヤーの中にもプロを目指すプレイヤーが居ます。そこについて見解をお聞かせください。
福士:「プロゲーマー」というものが社会的に認知されてきた昨今の流れは、1ゲーマーとして
大変喜ばしく思います。しかし、鉄拳に関して言えば「プロゲーマー」を目指そうというプレイヤー達の意識は
低いと思っています。もちろん「プロゲーマー」の定義は難しいところですが、彼らはみな「プロゲーマー」というものを
舐めてますね。「俺でもワンチャンあるんじゃないかな」ぐらいに考えてるんでしょう。そんなに甘くないですよ。
個人的に、僕は世代の近い何人かのプロゲーマーとは親交があるのですが、彼らは「プロゲーマーとしてあり続ける」ために
様々な努力をしています。ゲームの努力は当然、語学の勉強やセルフマネジメント能力を磨いたりなど、その分野は多岐に渡ります。ゲームというものでプロであるためには、現在においてはそいういったことが必要なのです。
鉄拳でプロを目指すなら、そういったことも含めて覚悟をしていただきたいですね。現在のプロゲーマー事情が
知りたい人は、アルカディアの最新号に特集が組まれているので、是非目を通してみて下さい。
――話を大会に戻します。参加チームは過去最多125チームとなりましたが、注目しているプレイヤーやチームはありますか?
福士:強豪チームはそりゃみんな注目してますけど、ここは視点を変えて見てみましょう。僕が注目するプレイヤーは、まずは「こうすけ氏」。彼の情報戦の強さとプロデュース能力は必見です。ある意味、私が最も警戒するプレイヤーの一人ですね。次に「垂れ乳」氏。レジェンドの久しぶりの参戦に心躍ります。要所のバックダッシュと中段の打ち方は現役のプレイヤーも学ぶことが多いと思われます。ジュリオ氏の参戦が叶わなかったのが悔やまれますね。最後に「おりばー」。MASTERCUP3で一緒に優勝した頼れるチームメイトですが、歳が同じで仲良くしてた彼が、久しぶりの復帰です。彼のスカ確の早さと強引な攻めが再び見られると思うと嬉しいですね。個人的にはすごく応援しています。
――最後にあらためて大会への意気込みをお願いします。
福士:みんなインタビューでかっこいいこと言ってるから困りましたよ。優勝を狙っていない大会なんてないんで、当日は敏感倶楽部と僕の活躍に注目して下さい。
取材協力:フォルム武蔵境
昨今にしては珍しくビデオゲームに熱いお店で、鉄拳はもちろん、ガンダムやスト4、ブレイブルーなども連日盛り上がっているとのこと。福士曰く「店長がビデオゲームに理解があるため、メンテナンスも申し分ないですね。鉄拳は初段から神段まで様々なレベルのテッケナーが日々切磋琢磨しているので、ぜひフォルムにいらして下さい。常連や店員も皆フレンドリーでいいゲーセンですよ。」との事。近隣プレイヤーは勿論、遠征先の候補としても要チェック!
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■大会概要
MASTERCUP.5 TEKKEN 5ON5 BATTLE GP 2013
日時:2013年2月10日(日)
開催地:東京レジャーランド パレットタウン http://www.leisureland.jp/
住所: 〒135-0064 東京都江東区青海1-3-8
タイトル:アーケード 鉄拳TAG2U
大会形式:5on5
参加費:1チーム10,000円(1チーム1部パンフ配布)
※エントリーは終了いたしました。たくさんのご参加ありがとうございます