鉄拳5on5には欠かせない、名物実況&解説のゲンヤ、ハメコ。の両氏。マタドール杯、EVO2014や、実況・解説とは?、MASTERCUP.7に向けての意気込み語ってもらった。
「13歳という若さであれを体験していれば、これから先は更に強くなるんじゃないかな。」
――第5回マタドール杯の感想をお願いします。ハメコ。は選手としても出場しました。
ハメコ。:
選手としては……、ガットをコスったことしか覚えてない。
ゲンヤ:
(笑)
ハメコ。:
あとはたいぞ~が頑張ってたかな(笑)。久々の関西だったけど、京都a-choの大会は安心感があるんだよね。信頼できるスタッフしかいないから。
ゲンヤ:
参加者も集まりましたね。84チーム420名ですか。
ハメコ。:
大会の総評ってところでは、優勝した韓国チームのマルグが強過ぎたってことに尽きるね。
ゲンヤ:
あれはヤバかったですね。韓国は2チーム来ていて、Help me、jundding、SAINTなんかのチームがありましたが、彼らは配信の裏でデクに壊滅させられたと聞いています。
ハメコ。:
そうそう、デクが強すぎたっていう話を聞いたね。
――デク対junddingの試合が終わった後、junddingからデクに握手を求めに行ったそうです。「韓国では、お前が強いのはキャラが強いからと言って誰も対策してくれない。それを覆してくれてありがとう。」と。
ゲンヤ:
しかし、決勝ではデクが力を出し切れず、マルグが居たチームに押し切られてしまいましたね。
ハメコ。:
そこは、時期的にも対戦レベルがものすごく上がってたわけだし、どっちが勝ってもおかしくはなかったんじゃないかな。
ゲンヤ:
とはいえ、やはり勝負強さは要所で見せ付けてきましたね。
ハメコ。:
マルグのチームはワイルドカードから勝ち上がってるからね。試合を勝ってきた回数が多かったのもその要因かもしれない。
ゲンヤ:
ノビチームは惜しくもだったんですがね。先鋒のノビが滅茶苦茶強くて韓国を三人抜きしたりと優勢に試合を進めるも、大将のマルグがあみーご、タケ、ばくしー、影丸を倒してしまったと。
ハメコ。:
相当ヤバい活躍だよね。マルグのサマーは一体何だったんだマジで。
ゲンヤ:
タケ VS マルグのファイナルラウンドで、タケがマルグの体力をあと僅かまで追い詰めて、奈落を打ちにいったところをサマーで飛んで逆転ですからね。そもそもタケが最後の削りに奈落を使うのが滅多な事ではないのに、そこで飛んでいるって。
――マタドール杯は前日に東西戦がありました。
ハメコ。:
弦が滅茶苦茶強かった印象があるかな。
ゲンヤ:
ここでも九州の強さが出ましたね。ゆったりゆーきの弟のこーきも関東の精鋭を薙ぎ倒してました。
――ハメコ。は先日のEvolutionでその弦の準優勝という活躍を現地で観ていますが?
ハメコ。:
全体を通して危なげなく勝ち進んでいたよ。日本、韓国と比べたら、どうしてもアメリカのレベルは少し落ちるのかなとは思った。それにしても、13歳という若さでEvolution準優勝を成し遂げたというのはすごいね。あの大舞台での経験を糧に、今後はさらに強くなっていくんじゃないかな。
ゲンヤ:
そもそも歴代のEvolutionという格闘ゲームイベントの他タイトルも含めて、そういった若さで弦の様な結果を残せたプレイヤーっていたんですか?
ハメコ。:
弦みたいに13歳で準優勝っていうのは流石にないかもね。
ゲンヤ:
ただ、決勝のJDCRは本当に強かったですね。
ハメコ。:
素晴らしい対応力だったね。JDCRとしては、弦に少し試合を取られても途中で対応する自信があったみたい。レオ・ボブは韓国でもよく使われてるから。
ゲンヤ:
僕は配信で観てたんですけど、日本人としてはLooser’sの決勝で行われた弦対AOっていうのも凄く面白かったです。
ハメコ。:
それぞれの良い所が出た良い試合だったね。Winner’sの途中で行われたAO対弦の試合ではAOが勝って、試合内容を見る限りでは次もAOが勝つんじゃないかと思ったけど、見事弦が押し切ったね。
ゲンヤ:
準優勝という結果から、EVOはやっぱり弦でしたね。日本人としては。事前に、弦ならば優勝も有り得ると色々な人と話してはいたんですよ。でもその反面、全然知らない海外のプレイヤーにコロッと負けて敗退ってのも十分にあると思ってて。
ハメコ。:
そういう雰囲気はほとんど感じられなかったけどなあ。やっぱり、日本のプレイヤーの方が対戦経験が豊富だよ。だからこそ、日本人はもっと積極的に参加すれば良いと思うんだけど。だって、勝てるんだから。
ゲンヤ:
例えばノビなんかは次回は絶対に行くって言ってますね。他にも日本のトッププレイヤー達が海外に出ていってくれれば面白いですよね。
「3年間やり込んできた奴らが本気でぶつかり合うんで、絶対面白いものが観れますから。」
――では、MASTERCUP.7の実況解説に向けて、ハメコ。は以前から鉄拳を知らない人に対しても楽しんでもらえるような実況解説を意識していると語っていましたが、その意識はいつ頃からあったのですか?
ハメコ。:
闘劇で解説やるようになってからだね。闘劇は3タイトル同時にやってたから、言わばお客さんの1/3は鉄拳を知らない人だったんだよ。色々やり方はあると思うけど、動画配信が一般化してきたおかげで、全く知識のない人も観戦してくれるようになった昨今、知らない人向けのアプローチがより重要になったと思う。そもそも、知識がある人は観て楽しむ方法を知ってるからね。
――例えば鉄拳5とか6とかの頃に比べ、TAG2はアーケードの人口が減少した現在の状況であります。そういった状況を受けて実況で、鉄拳への間口を広げようという考えが強くなったりしますか?
ハメコ。:
競技人口を増やしたい、みたいなアプローチをするつもりは全くないね。ぶっちゃけ競技としての格闘ゲームなんて、人から何か言われて続けられるような甘いもんじゃないし、だからこそ競技シーンの場ではちゃんとやり込んでいる人たちが輝くわけで。それだけ大変なものだから、観る側も面白いんだと思うんだよね。
なので、鉄拳を全く知らない人だったり、格ゲーをやってない人から「へえ、ちょっと面白そう」と思ってもらうことの方が重要だと思ってるよ。逆に言えば、格闘ゲームの配信が持ってる影響力なんてそれぐらいのものなんじゃないかな。
――何故ハメコ。にこの話を振ったかと言うと、MASTERCUPのこれからも含め、ゲンヤも今回でMASTERCUPの実況は3回目を迎える中、どういった方向性で行くべきなのかが見えてくればという思いがありました。
ハメコ。:
なるほどね。
ゲンヤ:
僕自身、ある程度は実況の方向性を決めてるつもりではあるんですが、より良くなる為にはどうすればいいか、何かが良くなったとして何が出来るのか、っていうのを考えてました。
ハメコ。:
MASTERCUPほどのイベントになると、ニコ生をザッピングしてる最中にぶつかる人も多いと思うんだよ。だから、そういう鉄拳……どころか格闘ゲームを知らない人のために、どれだけ面白さや選手の凄さをかみ砕いて伝えられるかが一番重要じゃないかな。
なんていうか、もう格ゲーで特定タイトルを云々する時代は終わってると思うんだよね。それより、格ゲーコミュニティ全体がジャンルそのものをもっと外に広げていく方向になっていって、それこそ「どの格ゲー観戦しても面白いじゃん」ってなってくれれば、格闘ゲームを知っている人たちみんなが幸せになれると思う。その一環として、我々は鉄拳を知らない人に知ってもらう方向性で行ければなと。
――ありがとうございます。それでは最後にMASTERCUP.7に向けて一言お願いします。
ハメコ。:
まぁこんな感じで、格闘ゲームを知らない人がなんとなく観てくれたとしても、なるべく退屈させないように努力するので、時間があるなら是非観て下さい。ぶっちゃけ俺が頑張らなくても、選手が頑張るんで(笑)。3年間やり込んできた奴らが本気でぶつかり合うんで、絶対面白いものが観れますから。で、俺はその面白さを伝えられるように頑張ります。
ゲンヤ:
ハメコ。さんが外の人達に対してこれ以上ないくらいのアピールをしてますので、僕は選手達に向けて一言。MASTERCUP.7のキャッチコピーに「最終決着」とあるように、恐らくは鉄拳TAG2の最後のMASTERCUPになるでしょう。この最後の舞台で、皆さんが3年間やり込んできた鉄拳TAG2を、参加選手一人一人それぞれの鉄拳TAG2を見せて貰える瞬間を楽しみにしています!我々実況解説陣は皆さんの熱い試合を観ながら全力で楽しんでマイクを握るので、皆さんも全力でMASTERCUPを楽しんでいって下さい!
――ありがとうございました。
後ろの方も試合観戦出来るように、筐体周辺は選手、観戦者も座っての観戦にご協力ください。
また、筐体や会場に複数ゴミ袋やゴミ箱を用意いたしますので、そちらに捨てるようにお願いします。
イベントの今後の継続にも左右いたしますので、モラル向上のご協力よろしくお願いします。
■大会概要
『MASTERCUP.7 TEKKEN 5ON5 TEAM BATTLE GP2014』
日時:2014年11月2日(日)7:30~
開催地:東京レジャーランドパレットタウン http://www.yamazakiya.co.jp/area/
住所:〒135-0064 東京都江東区青海1丁目3-8
タイトル:アーケード 鉄拳TAG2U
大会形式:5on5
実況・解説:ゲンヤ・ハメコ。
参加費:1チーム15,000円
エントリー:176チーム 880人