北陸から世界へ。EVO初参加「オカティ、ダブル」は「EVO2015」に羽ばたく。世界に挑む意気込みを語ってもらった。
「世界で自分を試してきます。」
オカティ:
e-sportsで開催された最強ゲーマー2014 鉄拳TAG2覇者。生まれついての強キャラ厨。北陸からEVO2015に参戦。
ダブル:
現在22歳の鉄拳界の元祖スーパー小学生。圧倒的展開の速さを誇るスピードスター。若くして鉄拳歴18年の大ベテランが北陸からEVOに参戦。
――2人ともEVO初参加になります。
オカティ:
北陸の格闘ゲーム業界で、多く海外遠征しているパイオニアのG.Xさんって方がおられまして、鉄拳も昔からやられているのでよく話は聞いてました。とりあえず配信では毎年見ていて、海外の熱い大会も前々から参加してみたかったので、世界で自分を試してきます。
ダブル:
俺はオカティから話を聞いて、面白そうだし、鉄拳も19年やり込んでますし、そろそろ海外デビューもいい機会かなと思いまして参戦を決意しました。
――2人は昨年末に開催された最強ゲーマー2014の優勝者と準優勝者ですね。
ダブル:
予選運営の不具合が多すぎて、せっかくのオンライン予選も参加しにくかったんじゃないのかな。今まで参加した大会の中でブッチギリで一番モノ申したくなりましたね。
オカティ:
あれは予選が参加しにくいうえに、予選は非公開型の選手任せで審判がいない状態だったので、試合内容録画をPS3の機能で録画してたもんね(笑)
ダブル:
マジでそれ。オカティさんに言われて俺も録画していて良かった。試合しましょうと合意を取り、勝った後に、相手プレイヤーからこれラグチェックですよね?とか心理戦しかけられて(笑)ノーカンでしょ今の的な感じで。カイジの班長大槻が出現。オカティとの打ち合わせ通りに、これPS3の機能で録画して証拠残してますからって言うと相手も黙り込んで。シゴロサイ掴んだ気分でした(笑)
オカティ:
まぁ、相手の立ち回りも当然といえば当然だよね。勝負の世界で審判がいないとか正気の沙汰ではないので、当然起こるべくして起こったシナリオ。どこの誰だか知らないのに信じれる訳ないです。レギュレーション見た時、ライアーゲームかよって思っちゃいました。騙した方が勝ちみたいな(笑)俺達は正々堂々、試合以外でダーティーな事されても勝てる様に対応してましたけど。ステゴロで挑んで、やらかされたプレイヤーの噂も聞いたので、オンラインで審判無し。恐ろしい限りです。
――そんな厳しい予選を勝ち上がったんですね。
ダブル:
参加するのも情報戦でしたから。かなり申し込み難いエントリーフォームで、ネットパンピーな俺は一苦労でした(笑)
オカティ:
鉄拳プレイヤーには敷居が高かった予選ですね。オンラインのいわゆる家庭用勢も多いゲームなので、予選参加者が少なかったのは張り合いがなくて残念です。
――決勝トーナメントは東京で開催されましたね。
ダブル:
完全くじ引き制で組合せが再抽選されるという(笑)これは面白かった。1回戦はフジナオさんで凄く強かったです。ここでも首をひねる事がありました。審判に試合開始してくださいって言われて、俺が2本取ったら、急に止められて、再試合をさせられたんです。一斉に始めたんじゃなかったのか?とか思って諦めていたら、理由が録画機材が上手くいっていなくて再試合とか言われました。そんな理由で再現もしてくれなくて。俺の連携がフジナオさんにバレて、対応されてしまい凄く苦労しました。2試合先取で勝ち上がりの仕組みなだけに厳しすぎました。さすがに怒りの鉄拳発動ですよ(笑)ゴリ押しの2択で勝ちました。
オカティ:
あと、家庭用でラグがあって、モニターやレバーの関係じゃなく、録画機材をかましてる関係の遅延だそうで。さすがに気持ち揺らぎましたが、1回戦は不戦勝だったので、みんなも条件も一緒だしまぁいいかって感じで、気持ち切り替える事が出来てニコニコしちゃいました(笑)準決勝はこうすけさんの一八、平八だったんですが、身内が使っているタッグだったし、俺の鉄拳TAG2で一番対戦経験もあり、対策バッチリで勝つ事が出来ました。
ダブル:
俺の準決勝は闘劇覇者たーく。鉄拳6BRの野試合はボコボコにされた事がありましたが、今回は勝つ事が出来ました。というのも、TAG2での対戦経験がなかったのが大きいですね。たーくはしっかり対応してくるので、手の内がバレていたら完全に負けていたと思います。フルセットのファイナルラウンドまでもつれ込み、お互いに体力ギリギリの状態の中、根性のスライディングを当て、辛うじて勝てた試合だったんです。メチャクチャ嬉しかった。欲を言えば、こういう舞台で1回戦たーくに負けたゆったりゆーきを倒したかったですね。ライバルな所ありますし。
――決勝戦はオカティvsダブルとなりました。
ダブル:
ここまで全てにおいて楽な試合はありませんでしたね。0回戦参加する事も含めて(笑)
オカティ:
まさか2人で決勝戦するなんて思ってませんでした。試合内容覚えてないな。
ダブル:
録画ができてないとかで、ノビさんとタケ。さんの再現ムービーが地上波で流れてましたけど(笑)
オカティ:
あんなの全然違うでしょ(笑)ハッキリ言ってクジ運に恵まれましたね。反対側でダブルが強豪を全部倒してくれたので。
ダブル:
それ。俺があの大会のMVPでしょ。決勝に行くと一番苦手なオカティジンパチのオールスカ待ちスタイルされてしまい。あの頃の俺は、とにかく待たれると崩せないプレイヤーでしたから(笑)段位戦でオカティに勝った事ありませんでしたし。ただ、あの結果は北陸でワンツーフィニッシュ出来たのは、嬉しすぎました。
オカティ:
裏で鉄拳20周年記念イベントが行われていて、ノビ、タケ、弦等の強豪がいなかったのも優勝、準優勝出来た理由だったと思いますが、純粋に嬉しかったですね。
ダブル:
ったく、最強ゲーマーさんはYO。いい事言うね。
■「ウメハラさんが俺の隣を通った時ドキドキしましたもん。」
――ゲームは違いますが、ウメハラが一躍世界で有名になったEVOでの背水の陣は知っていますか?
ダブル:
知ってる知ってる。アレをあの場所でやれるのは凄いよね。
オカティ:
もはや当然のテクニックの一つとはいえ、あの大舞台でオールブロッキングの最大ダメージコンボを入れたのは痺れた。一瞬でウメハラ信者になりました。
ダブル:
オカティの家は、ウメハラの本でいっぱいだからな。というかこんなに種類あるんだ。さすがに凄いね。
オカティ:
ウメハラ書籍はフルコンプリートなので、本持って行ってサイン書いてもらいたいぐらいです。Tシャツも通販してます。e-sportsスクエアで行われたTOPANGAリーグ観戦時に、ウメハラさんが俺の隣を通った時ドキドキしましたもん。そう考えるとウメハラ憧れ系男子の俺が、また同じ舞台に立つなんて夢の様です。
ダブル:
またって?
オカティ:
闘劇で3回も本戦の舞台踏ませてもらったからなぁ。
ダブル:
本戦で、1回も勝った事ないじゃん(笑)
オカティ:
サーセン。
ダブル:
闘劇本戦は、出たかった~。またやってほしい。
――鉄拳7はアジアで稼働中。アメリカはイベントの時、Madcatzに託された基盤でしか触れてない筈です。
ダブル:
完全にアジア、日本有利ですね。このゲームはレイジアーツや、パワークラッシュなどのシステム慣れするまでの壁もあるし、日本勢が途中で、韓国以外の海外勢に負ける訳にはいかないです。
オカティ:
そうだね。ただ、2択重視のジャック等に、やらかされないようにしたいね。
ダブル:
勢いに乗って倒していきます。横移動の使い方、避け方にも慣れないと勝てないゲームですから。
オカティ:
圧倒的アジア有利。賞金制の鉄拳クラッシュ×Twitchの大会も、EVOと被って韓国勢の参加もSaintとJDCRだけですから。俺達日本勢が、負ける要素は無い。日本人の誰かが優勝しますよ。賞金欲しいです。
――日本ではなかなか法律で実現しない賞金大会ですが。
オカティ:
たまに行われたら必ず参加してますね。最強ゲーマー2014は、本当に稼がせてもらったよ(笑)GODSGARDEN GATEや、GODSGARDENも参加しましたもん。
ダブル:
オカティは抜け目ないよね。
オカティ:
どんな業界でも、賞金があってプロが育つというか、そういったe-sportsがやろうとしている事はある意味では正しいと思います。活性化しますから。賞金は狙ってます。ゲームしてお金もらえるとか美味しいっしょ。
ダブル:
金が絡むとオカティ強くなるからな~。マジで賞金ハンターOKT。
■「俺はきっと巨人軍向いてないんですわ。」
――大会は緊張しますか。
ダブル:
俺は昔から大会で緊張したことはほとんどありません。オカティは緊張してるよね。
オカティ:
さすがに地元の大会は身内感があって緊張しませんが、MASTERCUPは毎回緊張しまくりですね。
ダブル:
MASTERCUP.7は、身内では無かったので緊張しましたね。ちゃんとやらなきゃってのが先行して、プレイが大人しくなってましたね。ラティンの変わりに俺が入ってる感じでしたので、完全に役目は果たせませんでした。メンツは前回優勝チームでしたから。何をする為にここに来てるのか分からないぐらいな感じで、何試合か勝ったものの空気でした。
オカティ:
緊張してるのがすぐに分かったわ(笑)
ダブル:
俺は、お互いに理解しているプレイヤーのオカティ、ダンディー、カジ、とってぃーと組むのがベストメンバーですね。MASTERCUP.6ではレッドカーペットを歩く事が出来ましたし。勝っても負けても、のびのび鉄拳ができるし本当に楽しいんです。俺はきっと巨人軍向いてないんですわ。富山、石川連合の北陸最強チームですけどまた組める日が来るといいな。
――2人の鉄拳歴を教えてください。
オカティ:
アーケードデビューしたのは鉄拳5ですかね。家庭用では少しやってましたけど。丁度鉄拳歴10年ですね。鉄拳5DR時代にゲーセンに行くと、龍王のロウを使った小学生のチビッ子がいたんです。当時、石板段位の俺からすると段位戦している彼等は天上人でした。
ダブル:
当時地方で有名クラスなベガヲさんのマードックとの段位戦だったかな。負けたけど(笑)俺は鉄拳2からやってるので、鉄拳歴は18年ぐらいですかね。
オカティ:
忘れられないのは、5.0の時会社の先輩が更衣室で鉄拳のカードケース持っているのを見かけたので話しかけて、夜勤明けに対戦する事にしたんですけど、その人初心者狩りで有名な人だったんです。5.0のブライアンのチョッピングとスネークエッジだけを使われて、40連敗しました。でも、この出来事のお陰で、本気になって鉄拳をプレイする事が出来ました。勿論、家に帰ってブライアンを練習したのは言うまでもありません。ただ、一生3段辺りを彷徨ってました。
ダブル:
彷徨ってた(笑)
オカティ:
強いプレイヤーがいるゲーセンに通って、話せる人も増えてきて色々教えてもらって強くなっていきましたね。
ダブル: 強キャラに甘える癖が付いてしまったんですけど、ダメですね。やっぱり強キャラ依存になってしまうと、肝心のところが強くならなくてあきまへん。
――プレイを見ていると、少ない強い技で効率よく倒してるように見えます。
ダブル:
1Rぐらいで、相手の嫌な事を読み取って実践する能力は高い。本人気付いてないかもですけど。EVOでもいい結果を出してくれると信じています。
オカティ:
まぁ、EVOでは負けないと思うんですけどね。
■「日本で俺より展開が速いロウ使いは絶対居ないと思うんですけど。」
――鉄拳7はアーケードオンライン対戦ゲームになりました。
ダブル:
地方に住んでる俺からすると、本当に有難いシステムですね。鉄拳TAG2の時に、自分がどれだけ強いのかを試したい時期があって、よく巣鴨に行ってはノビさんに対戦してもらえました。全国のトッププレイヤーと対戦することができて、何が悪くて、何が良いのかが、自分で石川県にいながら分かる様になったのは大きいですね。毎日考えて鉄拳出来るから楽しい。
オカティ:
自分の仕事終わりの時間帯でランクマッチの対戦がアーケードで出来るのは、本当に有難い。地方だとゲーセンに行っても、対戦相手がいないっていう事がTAG2まで日常茶飯事でした。ダンディーと二人で、富山県から大阪まで月一で通っている時期なんかもありましたから。よくモンテで鰤さん達に可愛がられたので、強くなれたんだと思います。
ダブル:
地方、都会の差は無くなりましたね。誰もが言い訳できなくなったんじゃないでしょうか。
オカティ:
一線を退いた大御所OB気取りみたいな人も現実を知る事が出来ますよね。そもそも、そんなもんシカトで良いのですが。
――EVOでの使用キャラを教えてください。
ダブル:
俺はロウ一本で優勝を狙いにいきます。ゴリ押しが強いゲームですから、そこにマッチしているので強いですね。ロウは日本最強を自負しています。日本で俺より展開が速いロウ使いは絶対居ないと思うんですけど。にわかな使い手にはできない、相手に技を振らせるような立ち回りで勝ちます。
オカティ:
マタドールさんといい勝負してたね。
ダブル:
総戦績では勝ってるけど、マタドールさんは強い。負けない様に頑張ります。絶対に勝つ!
オカティ:
俺は工場勤務してますので、ジャックのメカ的な要素に惚れこんで、10年来使ってる相棒です。俺って生まれついてのジャック使いなんですよ。
ダブル:
ブライアンに、ボブの話もあった様な。
オカティ:
・・・。僕の世界最高峰のクイックハンマーラッシュが、世界でどこまで通用するかを試したいです。いかにもロボットっていう機械的な動きが最高ですね。この技が強かろうが、弱かろうが、この技に昔から命かけてますから。壇上で、「世界よ、これがクイックハンマーラッシュだ」って言いたいですもん。「確かみてみろ」って感じですわ。
ダブル:
誰のクイックハンマーラッシュも強いでしょ。この、強キャラ厨坊が(笑)
■「鉄拳界でダブルは元祖スーパー小学生だったからな。」
――EVO前に大幅調整の可能もあると聞いております。
オカティ:
えっ?
ダブル:
まぁ妥当なところですよね。ジャックは特に調整入りそうな予感。
オカティ:
・・・。ジャックが大型修正をくらった場合、俺のじゃんけんフェンで、圧倒的2択、いわゆる功夫で世界を狙いますよ。俺は生粋の拳聖。カンフーマスターですから。
ダブル:
フェンは誰が触っても2択強いわ。この、強キャラ厨坊が(笑)
――昨年、弦が13歳でEVO2014準優勝、MASTERCUP.6準優勝となりました。
ダブル:
俺の13歳と、弦の13歳では、比較にならないぐらい弦の方が強く、結果を残してますよね。
オカティ:
鉄拳界でダブルは元祖スーパー小学生だったからな。地方とはいえ、龍王、鉄拳王は凄かったよ。
ダブル:
俺は鉄拳を教えてもらえる人もいなくて独学だったし、親の反対もあって、思うようにゲーセンにも行けなかったから、家族ぐるみで協力してくれる弦ファミリーは羨ましいです。圧倒的環境の違いですね。ただ、それを差し引いても弦は凄いし、強い。
――EVOに向けての意気込みをお願いします。
オカティ:
e-sportsに理解のある上司のお陰で、6日間の有給を取得できました。爆裂有給拳の伝承者なので。
ダブル:
何、爆裂有給拳って。会社舐めてる(笑)
オカティ:
クイックハンマーラッシュで世界を獲ってきます。大事なことなのでもう一度言います。負ける要素は、無い。鉄拳開発チームさん、EVO前にどうか調整はやめてください。調整されたら、海外の旅費を払ってステゴロのフェンで、じゃんけんゲーで世界を取ってきます!敗北を知りたい、敗北って何だ?
ダブル:
オカティ、大きくなったなぁ。ベスト4以上に入ったら、これからはオカティさんって呼んであげるよ(笑)冗談はさておき、トーナメントの組合せがどうであれ、いつか強い奴と当たる仕組みなので、北陸が全員倒してEVOの優勝タイトルを獲ります。
※収録後鉄拳7はバージョンアップされ、ジャック7は調整されております。
■『Twitch視聴アプリ』iOS/Androidで楽しく視聴!1,000万以上DL実績!!
開催日時:2015年7月18日(土)午前0:00~予選スタート
開催地:ラスベガス
タイトル:AC基板 鉄拳7
大会形式:1on1 ダブルイリミネーショントーナメント
『Madcatz スタンダードデザイン アケコン TE2』オカティ、ダブルがEVO2015でレンタルするモデル。
■大会概要
『MASTERCUP.8 TEKKEN 5ON5 TEAM BATTLE GP2015』
日時:2015年11月22日(日)
開催地:東京某所
タイトル:アーケード 鉄拳7
大会形式:5on5
実況・解説:ゲンヤ・ハメコ。