2・10 MASTERCUP.5を振り返り優勝チーム「東京ヒップホップ愛好会」リーダーユウがMASTERCUP参加プレイヤー達がなぜこんなにも真剣勝負に打ち込めるのかを独自の視点で語り尽くす。「MASTERCUP.6」に向けてやり込んだ鉄拳TAG2Uのすべてを出し尽くせ!
MASTERCUP.5開催発表~開催前夜
鉄拳に特化した大規模大会といえば古くから、九州地方で開催される「膝まったり杯」、関西地方で「マタドール杯」、北陸地方は「MASTERCUP」などが思い浮かぶ。全国各地から猛者が集い、参加人数はどれも数百名にもおよぶビッグイベントだ。そのうちの一つである「MASTERCUP」は5on5形式を採用しており、大会参加チームの数も第1回から第4回に至るまで、「39→52→94→107」と激増している。東京や大阪から離れた北陸の地で、500名以上のプレイヤーが参加する世界が認めるモンスターイベントとなったのだ。
自分はMASTERCUPには一度も参加した経験が無かった。理由は多々あれど、毎年パンフレットの優勝予想に一筆を投じるだけで、会場の生の雰囲気には触れたことがない。富山に向かう車が豪雨で大変な思いをしたとか、寝る場所が無くて富山を彷徨ったとか、会場で提供されるフードがやけに旨いだとか、そういった土産話を聞き、参加できなかった歯痒さをいくらか紛らわせていた。
『そのMASTERCUPが都内で開催される』
噂話を聞いたのは去年の秋頃。アーケードの賑わいも徐々に沈静化しており、身内プレイヤーのプレイ履歴も数週間前…全国のあらゆる格闘ゲーマーの頂点を決める格ゲーの祭典「闘劇」も、諸事情により中止となってしまった。元々鉄拳のイベントが少なく、腕を奮う舞台が限られていた鉄拳プレイヤー達。このまま不完全燃焼で時間だけが過ぎていくのか?そんな中での知らせだった。
MASTERCUP.5の都内開催が決定したこの頃から、少なくとも東京各地のアーケードの活気が戻った様に感じた。元々のやり込み勢達は更に追い込みをかけて仕上げ、普段は見ない顔ぶれも見かける。現聖地となっている「ナムコ巣鴨店」の定期大会も参加人数が明らかに増え、3on3のチーム戦などではMASTERCUP.5で組む予定のチームメイトと出場してチームの一体感を高めたり、改善箇所を見つけようとするプレイヤー達も見受けられるようになる。
WEBエントリーが始まり、一線を退いたレジェンドプレイヤー達の参戦や、国境を越えての韓国勢のエントリー、同キャラ5人でのキャラ愛チームや、一級プレイヤー達で固めたドリームチームなど、時間が経つにつれこの大会が特別なものなんだと意識する様になっていった。
そんな中自分は「ノビ」、「しょちゃん」、「ぺこス」、「まんば」と、各々が全く興味の無い音楽ジャンルの「HIPHOP」から名前を取って、【東京ヒップホップ愛好会】というチームを結成することに。自分のプレイスタイルの特徴から「大将」を任せられる事が多いのだが、「ぺこス」も抜群の安定感を持っているので、彼に大将を任せて自分が中堅、副将でストッパーとして出られるのは大きい。「まんば」はナムコ巣鴨の大会に頻繁に出場していて大会慣れしているのが心強い。ジェイシーの二択で勝負を賭けられるし、ボブでじっくりと戦うこともできるので様々なシーンで活躍してくれるだろう。「しょちゃん」はアーケードに来る機会は減ったもののその強さは健在で、キャラ対策などの知識面でも頼りになる。「ノビ」は言わずもがなその攻撃力と勢いが団体戦に不可欠で、先鋒や次鋒で出れば3,4人ごっそりと抜いてくれるという期待をもてる。そういったかなりバランスがいいチームが組めてよかったと今でも改めて思う。
会場は「東京レジャーランドパレットタウン店」の一角。本来はビリヤードやダーツを楽しめるエリアを大胆にも完全貸切として大会を行う。ここは「バーチャファイター」の最大規模の大会「ビートライブカップ」も行われる場所で、収容人数はもちろんのこと東京湾を近くに臨むことができロケーションも最高である。
この大会の「本気度」と、参加するプレイヤーの「本気度」が比例して高まってきたのを実感し、自分もベストな状態で望みたいと思い、会場から徒歩10分のホテルを予約。当日の1ターン目のエントリー確認がかなり早い時間の為である。食事もそこそこに、英気を養う為に早めの就寝とした。
MASTERCUP.5開催当日~ワイルドカード決勝
会場に着くと既に大勢のプレイヤーがエントリーを済ませて開場を待っていた。地方から参加したプレイヤーやレジェンド達とここで久しぶりの対面。早朝の同窓会である。
開会式でPVを見終えたら、いよいよMASTERCUP.5の開始。泣いても笑っても1チームだけ勝ち残ることができる、熾烈な生き残り合戦の火蓋が切って落とされた。
参加チームは125チーム625人。1次予選では、「1リーグにつき4チーム」のリーグを31個作成。1位通過チームは無条件で2次予選へ進出、2位、3位チームがワイルドカード(敗者復活戦)へ、4位のチームはそこで敗退が決定する仕組みとなっている。ワイルドカード(敗者復活戦)とは言っても、参加するプレイヤー達は口を揃えて「地獄の様」と形容するが…
それもそのはず、ワイルドカードに進出した62チームの中から2次予選へと駒を進められるのは僅か「1チームのみ」となっているのだ。更に、ワイルドカードのトーナメントでは5on5の総力戦ではなく、1on1の代表者戦。つまり総合力が高いチームであっても「事故負け」であっという間に敗退してしまう非常に狭き門なのだ。
有力プレイヤー達は自覚している。ワイルドカード=敗退…と同様のものだと自覚している。故に初戦から全力を出し切り、なんとしても1位通過をしなければならない、そのつもりで望んでいる。
1次予選が終了し、地獄のワイルドカードが始まる。62チームの中には上位入選が予想されたチームも数多く入っている。どのチームも運命を託す代表者を決めるのは簡単なことではない。苦渋の決断で代表者を決めたら、もうその背中に想いを託すしかない。
無情にもワイルドカードは次々と試合を消化し、いつの間にか決勝戦となっていた。決勝戦で相見えるのは【びっくりマンボー☆】と【大日本風力発電所 関西支社】となる。
【びっくりマンボー☆】の代表者は「TERU」。鉄拳4時代の最強格のプレイヤーである彼は、鉄拳の教科書の様な正確な横移動と高レベルの意識分配が成せるスカし確定の早さで、当時激戦区だった池袋の頂点に君臨していた古参プレイヤーである。鉄拳6ではその姿を眩ませていたものの、MASTERCUP.5出場を決めて舞い戻ってきたレジェンドプレイヤーの一人。
対する【大日本風力発電所 関西支社】の代表は「38」。大会での勝負強さは相当なもので、数々の大会でチームを入賞まで導いている。太い選択肢も臆することなく選ぶ度胸があり、豊富な対戦経験と優れた嗅覚を活かしての暴れは異常な程のヒット率を誇る。
個人的には「TERU」さんがその舞台で代表に選ばれているだけで感慨深いものがあった。かつて自分も鉄拳4では目標にしていたプレイヤーの一人であり、強い「TERU」さんを見るだけであの頃の思い出が蘇る様だった。
結果から言えばこのワイルドカード決勝の試合は、MASTERCUP.5でも1,2を争う程盛り上がった名試合となった。それは、遠くから立ち見していた自分にも鳥肌が立つ程の内容だった。
一進一退のフルセットで迎えた最終ラウンド。攻防がめまぐるしく二転三転し、お互いの体力はあと1コンボで決まってしまうそんな中、地上コンボをミスしてしまった「38」に対して冷静な反撃をする「TERU」。「TERU」が最後に有利な状態から選んだ技は、ガードされれば負けてしまう博打技だったがこれが見事にヒット。続く壁コンボで勝利を掴んだ。
劇的なこの試合を目の当たりにした2次予選通過者達も、兜の緒を締め直した事だろう。
余談だが、マスターカップ当日は隣接するカラオケ施設を全部屋貸切としている。一部屋を丸一日レンタルすることができ、チーム単位で借りたり仲が良いプレイヤー同士で大部屋を貸切ることもできる。中には空き時間を有効に活用するために、PS3や液晶モニターを持ち込んでキャラ対策や最終調整を詰めているプレイヤーの姿も見受けられた。MASTERCUPは朝から晩までの長丁場なので、体調管理にも気を配りつつ、いざ本番の時には限りなく万全な状態で臨まなければならない。
■ユウ&ノビの鉄拳生放送 in namco巣鴨店
ナムコ公認プレイヤー【ユウ】と【ノビ】のよる、鉄拳TAG2Uの生放送番組です。
毎週金曜日夜21時頃~絶賛生放送中。
「ノビ」がnamco巣鴨店で「鉄拳インストラクター」として在籍中。
名称:namco巣鴨店
住所:〒170-0002東京都豊島区巣鴨1-15-1 ミヤタビルB1F、B2F
TEL:03-3943-6735
営業時間:日~木10:00~24:00
金・土・祝祭日前日は24:30まで営業!
■大会概要
MASTERCUP.6 TEKKEN 5ON5 BATTLE GP 2013
日時:2013年11月3日(日)
開催地:東京 都内某所
タイトル:アーケード 鉄拳TAG2U
大会形式:5on5
参加費:1チーム10,000円
エントリー期間:2013年8月17(土)0:00~2013年9月28日(土)23:59まで